ポリエチレンの諸物性

ポリエチレンの基本的性質

ポリエチレンの物性を支配する因子としては、MFR、密度、分子量、分子量分布、分岐種などがあります。そのうち、三つの因子(分子量、分子量分布、密度)の物性に対する影響は以下の通りです。

1.分子量
分子量が大きくなる(MFRが小さくなる)と一般的に機械的強度が向上するが、反面、溶融粘度が増大し流動性(成形性)が悪くなる。

2.分子量分布
分子量分布はポリマーの流動性、機械的性質に大きく影響する。分子量分布が広ければ非ニュートン特性が大きくなり、流動性(成形性)が向上する。また、分布が狭いほど引張強さや耐衝撃性等の機械的性質が向上する。

3.密度
密度が高くなると引張強度、 剛性等が向上するが、衝撃強さ、透明性、耐ストレスクラッキング性等は低下する。

分子構造と物性の関係

ポリエチレンの一般物性は、分子量の低下、分子量分布の拡大、密度の上昇により、表に示すような傾向となります。

分子構造
一般物性
分子量低下
(MFR上昇)
分子量分布拡大 密度上昇
流動性
(加工性)
特性が向上する
特性が向上する ほとんど変化なし
耐ドローダウン性
特性が低下する
特性が向上する ほとんど変化なし
溶融張力
特性が低下する
特性が向上する ほとんど変化なし
剛性
わずかに向上する
ほとんど変化なし 特性が向上する
表面硬さ ほとんど変化なし わずかに低下する 特性が向上する
耐クリープ性
特性が低下する
ほとんど変化なし 特性が向上する
耐ストレスクラッキング性
(ESCR)
特性が低下する
わずかに向上する 特性が低下する
透明性
特性が向上する
特性が低下する 特性が低下する